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Odyssey

タイ・ビルマ出張記2010 その2 暴動その後

 チットロムはサイアムと並ぶバンコクの商業地区の中心。 例の赤シャツ隊の暴動で三ヶ月間に渡って占拠され、最後はZENセントラルデパートが放火されるという最悪の事態にまで発展した。
 事件後初めて現場に行ってみたが、焼け落ちたZENは巨大な仮囲いで覆われており、中ではすでに工事が行われていた。 まったくとんでもないことをやらかしてくれたものである。 幸いすぐ隣の伊勢丹は延焼を免れ無事だったが、向かいのゲイソーンにしてもこの期間ほぼ開店休業状態に追い込まれていたわけで、僕の馴染みの店も廃業に追い込まれていた。 そこには顔見知りのスタッフもいて、今どうしているのかもわからない。

BTSのスカイウォークから見える焼け焦げたZENのサイン

いくら目隠しとはいえ、こんなに高い仮囲いをよく造ったものである

赤シャツ隊に占拠され「本拠地」となっていた通りもすっかり通常の状態に戻っていた

 この店はサイアム・パラゴンとゲイソーンにそれぞれ店を構えていたのだが、この暴動のせいで両店とも完全に客足が遠のき廃業に至ったのだった。 近くのテナントのスタッフに訊いてみると、両店とも6月に閉店セールをやっていたらしい。 同じく店をやっている者としてこういうのは本当にこたえる。
 赤シャツ隊の主要な構成員はタクシンの支持基盤であるイサーン(東北部)の農民たちだが、昨年のデモの時も農閑期の到来とともに始まったデモは田植えの季節を迎えると必然的に終息した。 今回のデモももう少しで解散していたはずだが、これだけ商業地区を占拠されてしまうとさすがにただ手をこまねいているわけにはいかない。 結果的に最後は軍が強硬な手段でデモ隊を制圧したわけだが、この三ヶ月間がタイ経済に与えたダメージは決して小さなものではなかった。 来年以降もこうした状況が繰り返され、なかば年中行事化するようなことでもあれば国全体がさらに混乱、疲弊していくだけで誰にとっても不幸なだけである。 ソンクランどころではない。
 ネット上では、タクシンが客家の出であることと関連づけ、赤シャツ隊をまるで中国共産党の尖兵と断定し、領土的野心を隠さぬ中国の暗躍を指摘する発言も多く見られたが、少なくともここ数年の暴動にそうした背後関係はない。 タイにとって幸運だったのは中国と直接国境を接していないことである。
 タイは日本同様帝国主義の時代を通じて一度も植民地になったことがない国であり外交はしたたか。 ベトナムや朝鮮のようにかつて中国に朝貢した歴史を持つ国が、今も事実上華夷秩序の中に組み入れられている現状とは対照的に確固たる独自性を有している。 タイ人はそのことにもっと誇りを持つべきだし、国内でいつまでも内輪もめを続けていると、それこそ本当に中共が混乱に乗じて悪さを働かないとも限らない。 とにかくもうこんな不毛な争いは今年限りにして欲しいものだ。

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