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Critique

またサンチャンタか

 ウォール・ストリート・ジャーナルからまた怪電波が発信された。 以下は以前にも紹介した東京副支局長のマリコ・サンチャンタによる記事である。 今回は日本語版の記事があったので引用する。

 日本に張り詰めた空気が漂っている。中国のせいではない。村上春樹氏(61)がノーベル文学賞を受賞するかどうかで気をもんでいるのだ。今年のノーベル文学賞受賞者は7日に発表される。
 この1年、プライドを傷つけられるようなできごとが続いた日本は、日本は国民的英雄を待ちわびている。今年の第2四半期、中国に世界2位の経済大国の座を奪われた。国民的アイドル、フィギュアスケートの浅田真央選手は、バンクーバー冬季五輪で韓国のライバル、キム・ヨナとの金メダル争いに敗れた。サッカー日本代表は、今夏のワールドカップ(W杯)南アフリカ大会1次リーグで快進撃を見せ、国民の期待を集めたが、パラグアイに挑んだ決勝トーナメント 1回戦で散った。現役の一人横綱・白鵬は、モンゴル人だ。
 そうしたなか、国民的英雄というイメージではないかもしれない村上氏に期待のまなざしが注がれている。(中略)
 もし村上氏が受賞すれば、ノーベル賞作家クラブ入りすることになる。日本人のメンバーは大江健三郎氏(1994年に受賞)、川端康成氏(1968年に受賞)の二人だけだ。
 村上作品は商業的で、大衆的過ぎるとの批判もある。だが彼はある偉業を成し遂げている。圧倒的な人気を集め、海外のベストセラーリストの上位に常に名を連ねる、唯一の日本人作家としての地位を確立したのだ。ストックホルムのノーベル賞委員会がこの点を考慮するかどうかは分からない。それでも日本人は密かに、だが心から彼の受賞を願っている。
村上春樹氏、ついにノーベル文学賞? – Japan Real Time – WSJ

 ここにきてマリコ・サンチャンタは自らが背負った「ノリミツ・オオニシの後継者」という十字架をはっきりと自覚したようだ。 その筆致はかつてのオオニシのそれと見紛うばかりである。
 サンチャンタはとにかく日本を腐したいようだが、世界第二位の経済大国の座を中国に奪われたことなど両国の人口比からすれば取り立てて大騒ぎするようなことでもないし、既に新たなシーズンを迎えている浅田真央のことを持ち出してまで今さらキモヨナの過去の栄光を讃えたい気持ちも良くわからないし、日本人の多くはワールドカップの結果をむしろ出来すぎだと思っているし、一人横綱の白鵬がモンゴル人であることでプライドを傷つけられるほど狭量でもない。 そりゃ日本人なら誰しも日本人の力士にも頑張ってもらいたいとは思うだろうけど。
 サンチャンタはどうしても日本人のイメージを自分並みに貶めたいようだが、これらのネタフリにはあまりに無理がある。 そして最後は「それでも日本人は密かに、だが心から彼の受賞を願っている」と結んだが、「沖縄ノート」で与太を書き、文化勲章を拒否した大江健三郎の受賞が相応しくないと思っている人が多いのと同様に、村上の受賞を望まぬ人も多い。 日本人の心情を代弁するのならサンチャンタはそのあまりに浅薄かつ視野狭窄的な物の見方をもう少し改善すべきだろう。
 そして昨日発表された今年の受賞者はバルガス・リョサ。 個人的にはここ数年アントニオ・タブッキに受賞してもらいたいと思い続けているのだが、彼もまだウェイティング・リストの中の人のようである。 しかし実のところタブッキのみならずそのリストの中に村上の名前が本当にあるのかすら選考委員以外には誰にもわからないのだ。

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