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蹴球狂の詩, Odyssey

欧州蹴球競馬旅 Episode 1 サンシーロ

 地下鉄M1線でロット(Lotto)駅へ。 車内は既にインテリスタでスシ詰め状態。 駅に到着し弾き出されるようにホームに出て、そのまま群集の流れに身を任せる。 道が単調なことも手伝ってか駅からサンシーロスタジアムまでは思いのほか遠く感じる。 途中、数台のリムジンバスが横付けすると群衆の一部がそれに殺到してたちまち満員御礼状態となり、次々にスタジアム方面に走り出していく。 乗りたい衝動に駆られるも素性の良くわからないバスに乗ってスタジアムではない何処かに連れ去られてしまう危険性を考慮し二の足を踏んだ。 後でわかったことだがこれはスタジアムまで客を無料でピストン輸送するバスなので安心して乗っていいし、乗った方が圧倒的に早く着く。 ただし女性にはオススメしない。
 これから訪れる人のため参考までに書いておくと、ロット駅からサンシーロスタジアムまで距離的にはちょうど地下鉄銀座線の外苑前駅から国立競技場ぐらいの距離がある。 徒歩でおよそ15分ほど。 時間には余裕を持ってスタジアムへは早めに行くことを薦めたい。
 スタジアム敷地内にアクセスする入場ゲートはチケットに印刷されたバーコードをスキャンして開く仕組みになっている。 チケットには名前も印字されており、外国人の僕はパスポートも持参したのだが提示を求められることはなかった。 スタジアム内部に到達するにはもうひとつ関所があり、自分の席に一番近いゲートの係員がチケットを確認してもぎりをやって半券を返してくれる。 ここでもパスポートの提示を求められることはなかった。
 上へと続くほの暗い階段は、そこを抜けるとやがてその只中に放り込まれる天空の劇場の演出装置の一部に他ならない。 暗順応していた虹彩は不意に上方から差し込んできた幾筋もの光芒に戸惑いながらもそれを脈拍数の増大という肉体反応に転化した。 やがて闇の中にくっきりとカクテルライトに照らし出された緑一面のフィールドが浮かび上がる。 昨夜上空から見たマルペンサ空港の寂しげな夜景、薄暗いオレンジ色のメタルハライドランプのなかの高速道路、闇夜に数多の歴史的建造物を浮かび上がらせる抑制的なライトアップ。 たぶん国内に原発がないことも遠因としてあるのだろう。 全体的に暗く落ち着いた雰囲気のミラノの街のなかで、そこは間違いなく最も明るい場所だった。
 以前にも似たような光景を見たことがある。 やはり慢性的な電力不足のミャンマーの旧都ヤンゴンにおいて、すべての電力が集約されているかのようなシュエダゴン・パゴダのライトアップ。 まるで他のすべての電力消費は節減してもそこだけは過剰なまでに光り輝かせる必要に迫られているような場所。 ミラノにおいてはサンシーロという祝祭空間がちょうどその役割を果たしているのかのようだ。

つづく

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