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Food & Drink, Odyssey

欧州蹴球競馬旅 Episode 5 Wong Kei’s calling

 短いミラノ滞在を終え、今度はマルペンサではなくリナーテ空港からの午前便でロンドンへ。 僕にとっては初めて、妻にとっては5年ぶりのUKである。 ヒースローから初めて乗るロンドンの地下鉄は小さくてなんだか可愛かった。 空港からピカデリー線で一本のキングスクロス駅のすぐそばにホテルをとったのは、翌日にキングスクロス駅始発の鉄道で行くニューマーケットへのデイトリップに便利なのと、やはり同日夜に観戦予定のチャンピオンズリーグの試合会場に近いからである。

 この日は移動日ということもあって、翌日の鉄道の座席を予約した後は買い付けに備えてピカデリーサーカス界隈のデパートやショップを下見して過ごした。 尋常ならざる賑わいをみせるピカデリーサーカスを頻繁に行き交うダブルデッカー。 ブラックキャブのなかにはボーダフォンの「London’s calling」のラッピングを施された派手な車体もある。 ヨーロッパ全域がユーロショックの沈滞ムードにあるなかUKも決して例外ではないのだが、とりあえず2012年のロンドン五輪に向けて傍目には盛り上がっているように見える。
 夕食は妻が留学中こよなく愛したというソーホーの中華に行くことにした。 とはいえ店を訪れるのですら20年ぶり。 そもそもその店が今もそこにあるのかすらわからない。 妻の記憶も曖昧でソーホーのどのあたりがチャイナタウンだったのかもおぼろげだ。 これはと思われる通りを右往左往し、道行く人に訊いては歩き彷徨うこと20分、果たしてその店はかつてと同じ場所でちゃんと営業していた。
 「旺記/WONG KEI/ワンケイ」 これがその店の名前。 客席数は500。 英国でも最大級の中華料理店のひとつである。 「Wong Kei London」でググッてみればわかるが、Wikipediaのページもある超有名レストラン。 もっともそれはページを読む限り、このワンケイが入っている建物がバロック様式とアール・ヌーボー様式を融合させた歴史的建造物としてその価値を評価されたものであり、中華料理店としての評価からではない。 一般的にこの店を超有名たらしめたのは、客を客とも思わぬ店員たちの無愛想なサービスと、そこそこ美味しくて量が多くそして何よりも安いこと。 当時からロンドン在住の日本人留学生及び駐在員御用達の店だったそうである。
 店内に潜入。 いつも入るや否や「How many !? (何人だ?!)」「Upstairs ! (上階へ行け!)」「Downstairs ! (地階へ行け!)」と怒鳴られていたという店内は思いのほか空いていて1階の席へ通されたが、僕らの周りの席もそれからすぐに埋まった。 よく食べていたという北京ダックもどきなど数皿を注文。 注文を取りに来た店員の態度は僕から見れば極めてそっけないものだったが、妻からは「サービスが改善されてる!」「ワンケイらしくない!?」と感嘆の声が上がる。 当時は客たちが相当ぞんざいな扱いを受けていたことが想像に難くない。 なんでもその昔「世界一サービスの悪い飲食店」としてギネスブックにも掲載されたそうである。
 妻は留学を終えた後も何度となくロンドンを訪れているのだが、不思議とワンケイを再訪する機会はなかったらしい。 若い頃通った店なんてそんなものだろうが、久々に訪れたワンケイで感慨無量な妻と安くて量も多い中華にこちらも大満足の僕なのであった。

泣く子も黙ったレストラン Wong Kei |H.I.S.ロンドン雑学講座
 

つづく

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