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Odyssey

欧州蹴球競馬旅 Episode 6 ニューマーケット

 ロンドン・キングスクロスから国鉄でケンブリッジへは約1時間の道のり。 車両には乗客が持ち込んだ自転車を積載できるスペースもあるほか広いトイレや大きなテーブル付きの座席もあったりしてバラエティに富んでいる。 シートも疲れにくく非常に好印象である。 さすが鉄道発祥の国だ。
 ケンブリッジからはローカル線でイプスウィッチ行きに乗り換えて二駅目がニューマーケットである。 「競走馬の聖地」として知られるニューマーケットだが駅舎すらない寂しい無人駅(上の写真はケンブリッジ駅)であった。
 ホームを降りると駐車場には妻が日本から予約を入れていた「Hoofbeats Guide Tours」のジョンさんが迎えに来てくれていた。 早速ニューマーケットを案内してもらう。 クルマはニューマーケットのメインストリートであるハイストリートを通り、競走馬の調教が行われている馬場に向かう。 この街に住む15,000人の住民のうち99%は競走馬に関わる仕事をしているという。



 着いた場所は馬場というよりも自然の丘陵地のような場所。 その名もロング・ヒル(Long Hill)とサイド・ヒル(Side Hill)。 ジョンさんは間を走るモールトン・ロード(Moulton Rd)にクルマを止め、調教を受ける競走馬について説明を始めた。 世界中でここにしかない眺めだ。


 続いて案内されたのが「British Racing School」(音が出ます)。 騎手のみならず調教師や厩務員など競馬に関わるすべての人材を育成する英国随一の専門校で多くの若者が最高の環境で学んでいる。 実際に授業の様子を見学させてもらった。
 英国競馬において騎手の半数は女性なのだそうで、学校にも女性の姿が目立つ。 体重の軽い女性は本来的に騎手に向いているのだ。 

 ジョンさんの本職は厩務員で、奥様の厩舎が仕事場。 次はその厩舎を案内してもらった。 なかにはシェイク・モハメド氏所有の馬も数頭いる。 厩舎はとても古く、しかもその古さがなんとも言えぬラヴリーな雰囲気である。 食糧庫では競走馬に与えているフィードを見せてもらったが、僕らがいつも接している乗用馬のものとはまったく違い、科学的知見に基づいて様々な栄養素がブレンドされた多種多様な餌が用意されていることに驚いた。 やはりサラブレッドは人間がつくりあげる生き物。 サラブレッド(Thoroughbred)という名称が「徹底的に(Thorough)品種改良されたもの(Bred)」という語源からきていることからもわかる。 そのフィードのバリエーションは人間と大差ない。 いやむしろ普通の人間よりよっぽどバランスのいい食事なのではないだろうか。 それはさながら栄養士に管理されたトップアスリートのメニューのようである。
 続いて案内されたのは、このニューマーケットに多くの厩舎を所有する前出のシェイク・モハメド氏が新たに作らせた競走馬の練習用トラック。 実際にダートコースの中に入ることができたが、ダートとは名ばかりでふわふわの羽毛を敷き詰めたかのような柔らかいサーフェイスには驚いた。 サラブレッドの脚への負担を極力減らし怪我を予防するためである。

 このガイドツアーの締めくくりはニューマーケット競馬場。 毎年5月に英国競馬のクラッシック三冠の第一戦、1000ギニーと2000ギニーステークスが行われる場所である。 あいにくこの日は開催日ではなかったのだが中に入ることができた。 次に来る機会があれば実際のレースを観てみたい。 もちろん馬券を握りしめて。

 ジョンさんと別れ、ハイストリートにある「Horse Racing Museum」へ。 中には地元のお年寄りのご婦人方に絶大な人気を誇るカフェなんかもあり、僕らもここで遅い昼食をとった。

 競走馬の聖地・ニューマーケットはロンドンから鉄道で1時間とちょっとの田舎町。 馬がすべてに優先する「Horse First」な街。 だから人間を運ぶ鉄道はせいぜい1時間に1本あるかないか、というわけではないのだろうけれど。
 

 
 
つづく

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