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蹴球狂の詩, Odyssey

欧州蹴球競馬旅 Episode 8 チャンピオンズリーグ


 キングスクロスからアーセナルまではピカデリー線で3駅。 ホームに出るとすぐに電車がやって来たが、中はグナーですし詰め状態。 2本ほどやり過ごしてからようやく乗車。 アーセナルの試合がある日には直前の駅であるホロウェイ・ロード(Holloway Road)に電車は停まらない。 従ってキングスクロスからは実質2駅目がアーセナルとなる。

 
 地上へと続く通路を行く。 狭い地下空間に既にテンションが上がっているグナーたちのチャントが響き渡る。 試合の日毎にここで繰り広げられている日常の光景なのだろうが、もちろん旅人の僕には異空間だ。
 地上に出るとそこは住宅街。 両側にユニフォームやジャンクフードの店が並ぶ。 ミートパイの香りが鼻孔をくすぐる。 すぐにスタジアムの入口が見えてきた。 大群衆が一方向に流れていく道のど真ん中、小さなお立ち台の上で同じ口上を繰り返し、プログラムみたいなものを売っているオジサンがいる。 アーセナルサポーター(Gooner)のことを日本語読みで「グナー」とか「グーナー」と言うのだが、そのオジサンのイントネーションだと「グゥーナー」が一番近いかな、と感じる。

 スタジアムの中に入るゲートで会員カードをリーダーにかざすとブザーが鳴ってバーが開いた。 今夜はバックスタンドのアッパーデッキなのでそのまま階段を延々登る。 やはりサンシーロと比較してしまうが、こちらの方が新しいこともあって明るくて整然としている。 それは逆にサンシーロの時に感じたいい意味での不安のようなものとは無縁で、あの時の演出装置のような感じは受けなかった。

 アッパーデッキ下のエリアに到着。 まだゲーム開始まで多少時間があることもあって売店もまばら。 ハーフタイムビールが待っている。

 バックスタンドアッパーデッキに到着。 プレミアリーグやFAカップ、カーリングカップの試合日は「エミレーツスタジアム」の呼称で呼ばれるこのスタジアムも、UEFA主催試合はオフィシャルスポンサー以外の広告の掲出が禁じられるため「アーセナルスタジアム」と呼ばれる。 ピッチが遠くてあまり良く見えないのではないかと心配していたのだが杞憂に終わった。


 念願のチャンピオンズリーグのアンセム。 そしてスタメン発表。 ベンゲルはファン・ペルシーを温存し、代わりにモナコから移籍してきた「降格請負人」ことパク・チュヨンをCL初先発させたが、これが見事に裏目に出る。 つーか、ファン・ペルシーと比較されたら大抵のプレイヤーは見劣りするが。


 今季国内リーグでは低調な両チーム。 それでもアーセナルは前節のプレミアで敵地スタンフォード・ブリッジに乗り込んでのビッグ・ロンドンダービーで5-3とチェルシーに爆勝しており、いよいよエンジンがかかってきたはずだったのだが・・・。 この夜一番スタンドを沸かせたのはヴェルマーレンの「オウン」ゴールだった。


 本来ならこの試合あたりでCLデビューして欲しかった宮市君(事実この日のマッチデー・プログラムには彼の特集記事が掲載されていた)だがあえなくベンチ外。 「ワシが育てた(星野)」じゃなくて、「じっくり育てる(ベンゲル)」の方針のもとトップチームに帯同し、この夜もベンチ外の最前列(ベンゲルの2列後ろの2つ右の席)で観戦中。
 ゲームは晩秋のロンドンの夜風が吹きっ晒しになるアッパーデッキ最上段同様お寒い内容で、後半17分にパク・チュヨンに代えてファン・ペルシー、更にはロシツキーとアルシャビンの旧共産圏コンビを投入するも不発。 かえってマルセイユに攻勢を許す展開もなんとかスコアレスドローに持ち込みグループ首位をキープした。
 試合の退屈さも手伝ってこの寒さのなか完璧な防寒対策の甲斐もあり途中から隣で爆睡していた妻。 対照的にその奥で90分間声を張り上げていた熱狂的女性グナー。 二人にとっても、そしてもちろん僕にとってもこの夜のゲームは不完全燃焼といえた。

 帰路、アーセナル駅への入場規制が行われており、そこには騎馬警官たちの姿があった。 どの馬もバイザーを装着していて格好いい。

 既にグナーたちの反省会が始まっていたパブ「The Auld Triangle」。 店に入り切らない客が道路に溢れる。


 地下鉄に乗れなかった僕らはこのままフィンズベリー・パーク(Finsbury Park)駅まで歩いたが、やはりここも入場規制が行われていたので近くのバス停からキングスクロス行きのバスに乗って帰った。 このあたりは妻のロンドン時代の土地勘に救われた。 普通に地下鉄の入場規制の列に並んでいたら帰るのがかなり遅くなっていたと思う。

 
つづく

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