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ハクキンカイロ

 寒い。 寒さのあまり深層領域に接続してしまったのか、僕の記憶中枢は小学校の頃クラスメイトがポケットに忍ばせて学校に持ってきていた懐炉(カイロ)のことを突然思い出した。 昭和40年代の終わり頃は使い捨てカイロなんてものはなくカイロといえば「使い捨てない」ものしかなかった時代。 記憶のなかで鈍い輝きを放っていたあの金属の物体。 友達があずき色のビロードの巾着袋から宝物でも取り出すように見せてくれたあの懐炉。 触ってみると何とも言えない優しい暖かさ。 「あれ何ってったっけ?」 「懐炉」でググってみたらすぐに判明。 「ハクキンカイロだ!」
 調べてみると今もちゃんと製造されている。 いや、製造されているどころか昨今のエコロジーの風潮もあってこの「使い捨てない」カイロが見直され、一時は落ち込んでいた生産量は徐々に回復し今では国内はもとより海外でも「Peacock Pocket Warmer」という名前でシェアを広げているのだという。
 ハクキンカイロ、つまり白金(プラチナ)の触媒作用によって気化したベンジン(燃料)をゆっくりと酸化発熱させる懐炉は大正12(1923)年にハクキンカイロ社の創業者である的場仁市が発明したもの。 正に「メイド・イン・ジャパン」の製品である。 実はこの冬用にエネループの充電式カイロでも買おうかと思っていたのだが、いろいろ調べてみるとどうやらこのハクキンカイロ、熱効率ではエネループをがぜん上回るのだという。
 そこで、常日頃手先の冷えを訴えている妻にプレゼントすることにした。 ただし贈るのはハクキンカイロではなく、ハクキンカイロ社がOEMで製造しているジッポーのハンディーウォーマー&オイルセットにした。 まあ「ハクキンカイロ」より「ジッポー・ハンディーウォーマー」の方がどう見てもスタイリッシュだしw
 数日後、届いたハンディーウォーマーを早速使ってみたのだが、なかなか温かい。 金属製の本体を直接持つと熱いぐらいなので付属のフリースケースは欠かせない。 わずかの燃料で最大24時間も発熱が持続する点も素晴らしい。 燃料を注ぎ点火する手間も、そのプロセス自体が楽しい。 小学校時代から三十数余年の時を経て、改めて懐炉の有用性を再認識させられた僕はたちまち自分用にも欲しくなった。 僕自身、別に寒冷地勤務というわけでもなく、寒風吹きすさぶ中で終日交通量調査のアルバイトをする予定があるわけでもなく、冬場のワカサギ釣りがライフワークというわけでもないが、とにかく欲しくなったのである。 欲望に理由は要らないのである。
 そこで今度は本家本元のハクキンカイロを購入。 ジッポーのと両方使い比べてみたが、発熱量ではハクキンカイロに軍配が上がった。 こちらも付属のネルバッグに入れていないと火傷してしまうほどの温度。 なにしろ本体そのものはいずれもハクキンカイロ社で作っているわけなので、この発熱量の差は燃料の違いによるものだろう。 ジッポーのものはライター用のオイル、ハクキンカイロにはハクキンカイロ専用ベンジンがそれぞれ純正燃料として指定されているが、ハクキンカイロ専用ベンジンの優位性は明らかだ。
 もともと軍人や郵便配達夫などヘビーデューティーの極限で働く男たちの懐を暖めてきた懐炉。 例年より寒くなるらしい今年の冬、屋外作業や現場仕事に携わる男たちにも頼もしい相棒となるはずだ。

 
ハクキン/ハクキンカイロ
【日本発 アイデアの文化史】カイロ(下)「使いすてない」新しい潮流 – MSN産経ニュース
お前ら「ハクキンカイロ」って覚えてる?使い捨てカイロ全盛の時代に欧州で需要増大 : 【2ch】コピペ情報局 

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ハクキンカイロ」への2件のフィードバック

  1. 最近ハクキンカイロを購入しました。渋い外見とその実力。そして少し手間のかかるところ…ありふれた毎日のスパイスとして活用しています。

    投稿者: 匿名 | 2012年1月25日, 12:04 am
    • コメントありがとうございます。 ありふれた毎日のスパイス、いいですね。 僕の場合もハクキンカイロがないと寒くて死ぬみたいな状況ではないのでちょうどそんなところかとw それでも冬の寒い日に懐の中に暖かいものが入ってるというのはそれだけでなんかイイ(・∀・)ですよね。

      投稿者: noisyminority | 2012年2月3日, 2:08 am

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