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Movie

戦火の馬(ネタバレあり)


 「戦火の馬」はスピルバーグが第一次世界大戦を初めて描いた馬が主人公の作品である。 またディズニーが配給する映画でもある。 つまりそういう作品である。 昔から「動物もの」には弱い性質だ。 そんなわけで年甲斐もなく泣いた。 配給元からすれば理想的な客である。
 馬のロードムービーだ。 貧しい小作人テッドの家に引き取られた美しい若駒ジョーイ。 息子のアルバートとの間に結ばれた深い絆。 しかしその絆は戦争によって引き裂かれる。 軍馬として徴用されたジョーイは戦闘の最前線に送られる。 明日をも知れぬ過酷な日々のなか数奇な運命に導かれ、幾人もの人たちと出会いながら希望を託され命を繋いでいくジョーイ。 そして最後に奇跡の再会が待っていた――― 。
 仕事の合間を縫って鞍数を重ねる妻に付き合い、関東一円の乗馬クラブを転戦したりするなかで自分も馬に接するようになったせいか、馬という動物に対する見方はここ2年でずいぶん変わった。 とりわけ昨夏に岩手の荒川高原で馬と接してからというもの、それまで馬に感じていた畏怖の念よりも親愛の情の方が勝るようになった。 自分が午年生まれなのも理由のひとつかも知れない。
 本質的に馬は臆病な生き物である。 そしてまた僕(人間)も。 だからこそ馬は調教され、人は「Be brave !」と勇気を奮い立たせ、ともに脳が発する生命維持という原理的要求を遮断あるいは麻痺させて戦場へ赴き、そして死んでいく。 この映画は馬がまだ戦争の道具だった時代の寓話である。
 昨年の秋にロンドンに行った時もこの「War Horse」の舞台をやっていた。 スピルバーグはウエスト・エンドでこの舞台を観てすぐに映画化を決めたという。 上演当時の2009年においてもまだ誰にも原作の映画化の権利は買われていなかったのだ。


 アルバートの元を離れ、奇跡の再会を果たすまでの間に戦地でジョーイと出会う人たちの描写がやや弱く、ひとつひとつのエピソードにかける尺も短くそれぞれの人物像を深く描き切れていない印象を受ける。 その力点の置き方は評価の分かれるところかも知れない。 そしてイギリス軍とドイツ軍が塹壕戦を繰り広げる最前線の中間地帯(ノーマンズランド)に迷い込んだ傷だらけのジョーイを両軍の兵士が協力して救出するシーン・・・。 プロットに明らかな強引さを感じつつ、それでもこの頃にはどこかで「映画なんて一編のお伽話でいい」と思えるほどのカタルシスを覚えていたことも否定できない。 ジジイはこれだから困る。
 

岩手の旅 その2 荒川高原
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【映画】戦火の馬|公式サイト
『戦火の馬』日本版予告編 【YouTube】

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