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Odyssey

岩手の旅 2012夏 両石港

 今回も高速バス「遠野・釜石号」で朝6時に遠野駅着。 予約してあるホテル「フォルクローロ遠野」のチェックインまではまだ時間があるので、この日はまた例によって遠野まごころネットに行き、沿岸部の何処かで活動する予定。 今回はボランティアと観光と登山(妻は乗馬)の三部構成の旅。 いきおい荷物も多くなる。 靴だけでも作業用の長靴と登山靴を別途持参しなければならない。 もちろんその他登山用具一式、妻はヘルメットやプロテクターなど乗馬用具一式も要る。 昨夜家を発つ時に二人分の荷物を見渡してみたらまるで夫婦で夜逃げでもするような物量。 そういう旅だからこそ高速バスの停留所から徒歩10秒、遠野駅の駅舎がそのままホテルになっているフォルクローロ遠野は今回の旅に最も適している。
 荷物を預け、駅から徒歩15分のボラセンへ。 今回は両石町(釜石市)での漁業支援に派遣されることになった。 これまで両石はいつも通過するだけだったので活動するのは初めて。 ここだけは未だに瓦礫の撤去が進んでいないが、今回は地元の漁師の皆さんと一緒に定置網用のおもりを作る作業をすることになった。 耐水性のガラ袋にバラストとなる砂利を入れ、口を縛るだけの簡単な作りだが、一袋が約50kgぐらいありけっこう重い。 トータルで1万5千個作るうち、この日のノルマは2千個。 流れ作業の一部に入り作業すること十数分、漁師のみなさんが掛け声よろしく矢継ぎ早に送り出してくるおもりの袋を捌くうちにたちまち両手の握力はなくなり腰は悲鳴を上げる。 考えてみれば昨夜高速バスでほとんどマトモに寝ることができぬまま遠野に来てそのまま朝食も摂らずに今こうして「港湾労働」に従事している。 ただでさえ日頃は都会で不摂生のジジイが赤銅色に日焼けした三陸の漁師たちに敵うはずもない。 惨敗である。 「袋をちゃんと持ち上げんか!」と背中から叱責され、明後日の登山に備えて出し惜しんでいた力を一滴残らず絞り出した。 昨夏からまごころの活動に参加させてもらっているが、瞬間最大出力でいえば紛れもなく最もキツい現場だった。
 休憩時、体の弱った海猫が波止場で羽根を休めていた。 次の休憩の時に見たらもう事切れていた。 思いがけず最期を看取ることになってしまった我々。 考えたすえ海に還してやることにした。 既に魂が空に飛んでいってしまったせいか、亡骸を持ち上げたら存外に軽かった。 最後は何も食べることができなかったのだろう。 今もこの波打ち際には生と死の結界がある。

 お昼。 漁師さんたちのご厚意で隣の桑名浜に建てられたプレハブの通称「番屋」にて漁師料理をご馳走になった。 この日のメインは地元で上がったイカの煮物。 ちなみに先日はマンボウの肝が出たそうである。 昼間っから・・・。 食後に船着場に行ってみるとちょうどウニが水揚げされるところだった。 天然のムラサキウニは実入りも良く豊潤な味わいだそうである。 海、そして自然の復元力や治癒力というものは計り知れない。
 震災から一年四ヶ月が過ぎ、四度目の岩手でこうして被災者の皆さんと初めて直に接する機会が持てた。 それまではこちらから話しかけることを禁じられていたので、今回被災した漁師の皆さんと一緒に汗を流すことでそうした壁が取っ払われて自然に話すことができたことは嬉しかった。 「あの一番高い堤防の更に上5mぐらいのところまで水が来た」 「走って高台に逃げた」 こちらが訊かなくとも彼らは「あの日」について語ってくれた。 両石港を襲った津波の映像は今も動画サイトで見ることができるが、今の静けさからはとても想像することができないものだ。

 
 だからこそ彼らはまた海に戻る。 たとえ肉親を奪われても、家を根こそぎ流されても目の前にある豊穣の海に戻る。 それが自然な人間の営みなのだと思う。 そしてまた復興とはそうした一人ひとりの人間の思い(鳩山のバカが連発する「思い(=妄想)」とはまったくの別物)を汲み上げるものであるべきだと思う。

 ちなみに妻はこの日大槌町でまごころネットが運営している「はーぶの郷」でラベンダースティック作りをしたそうである(別の日の同じ作業の様子)。 妻曰く「被災地支援がこんなに楽しくて良かったのだろうか?!」だそうである。
 妻が行った現場にはもう一人年配の女性が一緒に派遣されたのだが、この方は浦安在住で自宅も震災で2度傾いたそうである。 そんな境遇にも関わらず自身もずっと石巻でボランティア活動をしていたそうなのだが、次第に「変な人」が増えてきて当地に滞在し続けるのが嫌になり、遠野に来てみたら受け入れ態勢や施設がしっかりしていてそれ以来ずっとここで活動しているのだという。 さすが石巻はピースボー◯が仕切ってるだけあって魑魅魍魎が多いようである。 実は僕も昨夏ボランティアに行く時にまず石巻に行こうとしたのだが、ピース◯ートが仕切ってると聞いて遠野に決めた経緯がある。 ピー◯ボートはこうした普通の主婦が「変な人が集まってきて居づらくなっている」と訴えている状況について一度考えてみるべきではないだろうか。 「類は友を呼ぶ」とはいうけれど。
 

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