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Odyssey

岩手の旅 2012夏 荒川高原再訪

 遠野市中心部からクルマで30分。 また馬の放牧を見に来た。 昨年知り合った馬の生産牧場の方に許可をいただき、牧場内に立ち入る。 馬たちは去年と同じ丘の上で身を寄せ合っている。 
 近づいていくとどの馬も同じように尻尾を鞭のように振っている。 体中にまとわりついてくる虻(あぶ)を払っているのだ。 とにかく虻が多い。 馬体にたかる虻に気をとられていたら自分にも蚋(ぶよ)がたかっているのに気がついた。 半ズボンで来るべきではなかった。 これを書いている今、僕の下腿は地獄のように痒い。 数えてみたらゆうに40ヶ所以上刺されていた。 刺されてから一週間後に腫れと痒みのピークが訪れるというのも恐ろしい。 なんでも今がちょうど虻の最盛期だということで、この天敵の集中砲火を浴びている馬たちもたまったものではない。
 群れを成して行動するのが馬という生き物だが、みんな静かに佇んでいたかと思うと、まるで誰かが合図したかのように一斉に牧草を食べ始める。 その規律正しさも群れで生きる知恵、馬の本能なのだろう。
 群れには数頭の若駒もいた。 母親にベッタリの子もいればすっかり乳離れしている子もいる。 この芦毛の子は僕のハンディカムに興味津々でずっとついてきた。 今回僕に一番なついた可愛いやつだ。



 そろそろ牧場を後にしようと丘を下って谷底の水場に歩き出したら去年と同じようにまた馬たちも丘を走り下ってきた。 僕はまた見送りに来てくれるのだと喜んだが、妻は「たぶんこの時間に水場に行くのが日課になっているだけなんだよ」と言う。 確かにそうなのかも知れない。 馬たちは僕らをよそに沢で水浴びを始めた。
 クルマに戻るにはそこから更にもうひとつ丘を登らなければならない。 馬道を登っていると背後から蹄の音が近づいてきた。 やはり馬たちは僕らを見送りに来てくれるのだ! 去年は後退りしながら撮影したのだが今回は道の脇に避けて登ってくる馬を全頭撮影してみた。 その数68頭。


 気がついたら3時間(!)もの時をここで馬たちと過ごしていた。 それは年甲斐もなく思いっ切り日焼けして皮が剥け始めた二の腕と、蚋の餌食となってステロイド軟膏の世話になっている下腿とともに2012年の夏の鮮烈な記憶として刻まれた。

 
岩手の旅 その2 荒川高原

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