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Odyssey

南紀の旅 其ノ壱 熊野古道

尾鷲駅を発つ特急ワイドビュー南紀1号

尾鷲駅を発つ特急ワイドビュー南紀1号

 昨年自分の中で南方熊楠熱が再燃してからというもの、一刻も早く訪れてみたかった熊野に行くことにした。 目的は熊野古道歩きと熊野三山詣である。 決めたはいいが熊野は遠い。 いろいろ調べてみてここが日本の秘境と呼ぶに相応しい場所であることにあらためて気づかされた。
 初日は熊野古道をトレイルしてみたいと考えたが、東京からだと移動で半日潰れてしまうので残された時間で歩けるルートを探してみた。 結果、熊野古道のなかでは伊勢路エリアにある馬越峠越えのコースが比較的短時間で歩けることに加え、コースの途中で天狗倉山への登山も楽しめるということで行くことにした。
 旅行前日。 JRの時刻表を調べ、乗り換えの時間を計算に入れながら乗り継ぎ便を繋げていく。 こうした作業は久しぶりだ。 できればお昼ぐらいに山頂でお弁当でも食べたい。 そこから逆算すると結果的に東京駅始発ののぞみ1号、名古屋駅始発のワイドビュー南紀1号を乗り継いで三重県の尾鷲駅に午前10時34分に到着する強行軍となった。 自宅を出たのは午前4時45分。 あたりはまだ完全に闇の中だった。
鷲毛バス停そばにある熊野古道の入口

鷲毛バス停そばにある熊野古道の入口

 尾鷲駅から三重交通のバスで15分。 世界遺産にも指定された熊野古道の入口は一般道の脇にある。 登山道入口があるロケーションと同じだ。 しかしながら歩き始めて数分で早くも森閑とした古道の雰囲気に包まれてタイムトリップしてしまう。 敷き詰められた石畳は近隣の山から切り出されたもの。 熊野詣が盛んだったころの道路整備、いわゆる公共事業である。 一間半(2.7m)の道幅は紀州藩の駕籠の大きさに合わせて作られており、一般的な登山道と比べるとかなりゆったりとしたサイズだ。
苔むしていた石畳も熊野古道が世界遺産に指定されて以降は歩く人が増えて剥がれてしまったのだという

苔むしていた石畳も熊野古道が世界遺産に指定されて以降は歩く人が増えて剥がれてしまったのだという

 日本で最も雨量の多いこの地で参詣道を整備するうえで石畳による舗装は旅を快適なものにしたであろうし、時おり道を横断する「洗い越し」と呼ばれる排水溝も道を湧き水や雨水で冠水させないための工夫である。 いにしえの人々の努力と知恵の結晶である古道を一歩一歩踏みしめながら馬越峠の茶屋跡に到着。 そこから古道を外れて天狗倉山を目指す。 山頂まで30分の道のりだ。
山頂直下 突如目の前に現れる巨岩

山頂直下 突如目の前に現れる巨岩

天狗倉山山頂

天狗倉山山頂

内陸方向の眺望 遠く大台ケ原の山々が見通せた

内陸方向の眺望 遠く大台ケ原の山々が見通せた

海側の眺望 熊野灘と尾鷲湾の入江

海側の眺望 熊野灘と尾鷲湾の入江

 天狗倉山の山頂には巨岩が鎮座していた。 その高さたるや生い茂る尾鷲檜の高さをも凌駕するほど。 岩には梯子が掛けられており、辿り着いた山頂は小さなテラスのようになっていた。 尾鷲駅口バス停の前にあったスーパーで買ったお弁当&ビールでお昼ごはん。 そのまま寝てしまいたい衝動に駆られたが明日の熊野三山巡礼に備えて今日のうちに那智勝浦まで移動しなければならない。 休憩もそこそこに馬越峠まで下りてそこからはふたたび古道を下って尾鷲駅へと急いだ。
 那智勝浦へ向かう在来線は帰宅する高校生ですし詰め状態。 やはり特急を使った方が良かったと後悔し始めた頃、座席を占領して勉強していた高校生たちが席を譲ってくれた。 旅先でこうした優しさに接するのはとても嬉しいもの。 素直に彼らの厚意に甘えることにした。 今日の古道歩き同様、明日の熊野三山詣もきっと素晴らしいものになるだろう。
 
世界遺産熊野古道伊勢路

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