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Alternative, Odyssey

ヤンゴン→チェンマイ出張記2013 乗象体験

僕を乗せてくれた象さん ありがとう

僕を乗せてくれた象さん ありがとう

 この日は日本から申し込んでいた「Thai Elephant Home」での「1 Day Elephant Training」に参加した。 実を言うとあまり「乗り気」ではなかったのだが、乗馬を始めてからというもの乗れそうな生き物を見ればとりあえず何でも乗ってみたいという欲求が抑えられない妻に誘われての参加である。
 早朝7時半、タイ・エレファント・ホームのワゴンがホテルに迎えに来た。 そのまま中心部のホテルやゲストハウスを回ってワゴンに乗り込んだのはイギリス人女性、オランダ人女性ペア、ハワイからの日系アメリカ人女性1人と韓国人女性1人のペア、日本人女性1人の6人に僕らを加えた合計8人。 男性の参加者は自分一人である。 ワゴンはチェンマイ中心部から1時間弱のメーテンへ。 そこにタイ・エレファント・ホームがある。
 支給されたタイ北部の民族衣装に着替えたのち、ガイドのジョーさんのレクチャーが始まる。 象とはいかなる生き物かに始まり、減少一途のタイの野生の象の現状、自分たちの森林保全や象の保護などの取り組み、そして象の操り方に至るまで小一時間ほどみっちり。 ジョーさんはこの日唯一の男性参加者である僕に向かって「あなたはラッキーボーイだ」を連発する。 性別はともかくこれだけ若者に囲まれると、いい年したオッサンが参加するのは多少勇気がいるアクティビティなのだと気づかされる。
柵なしでこれほど象に近寄ることすら初めて同然なのにいきなりの試乗会

柵なしでこれほど象に近寄ることすら初めて同然なのにいきなりの試乗会

 まずは参加者全員で象の化身であるガネーシャが祀られる祠に参拝。 次はいよいよ「乗象」である。 まずは象に餌のさとうきびをあげる。 ここまではバンコク市内に時おり現れる象にバナナをあげたこともある僕としては経験済み。 そこから象使いさんによって跪かされた象の前に立ち、右手で象の耳の付け根を掴み、象の右前足に自分の右足をかけて跳ね上がるように象の背中へ。 もちろん乗るのは初めてだ。 第一印象は「高い!」ってことに尽きる。 馬だって久しぶりに乗れば高さを感じるのに象の背中はその倍以上。 まさに究極の上から目線。 馬上が殿様気分だとすれば象上のそれはまさに王様気分である。 「下々の者よ、苦しゅうないぞ」 下にいる人間を頭頂部から見下ろす感覚からはそんな台詞が浮かんでくる。
渡渉ポイントはは象使いさんとタンデムなので安心

渡渉ポイントはは象使いさんとタンデムなので安心

 とりあえず敷地内を象に乗って一周。 いったん下象したのち、この日の自分のパートナーとなる象が各々に割り当てられふたたび乗象、森の奥にある野営地までキャラバン開始。 途中で川を渡り、時には人にとってもタフな急登を登ること1時間半、野営地に到着。 道すがら象は山道に生えている草をたくさん食べる。 意外だったのは笹竹が大好きなこと。 他にも草という草はだいたい何でも手当たり次第に口に運ぶ。 食欲旺盛なことこのうえない。
黒泥スパに巨体を横たえて気持よさそうに体をゴシゴシされる象と一緒に記念撮影 これなら顔出しOK(笑

黒泥スパに巨体を横たえて気持よさそうに体をゴシゴシされる象と一緒に記念撮影 これなら顔出しOK(笑

 この野営地で昼食休憩。 スタッフが持参してくれていたパッタイ(タイの焼きそば)のお弁当。 ボリューム満点で全員見事に食べ残したが、残飯処理担当の象がやってきて跡形もなく処理してくれ、お礼に参加者一人一人に鼻でディープキスをして、鼻で掴んだパナマ帽を被せる芸を披露してくれる。 すると象はすぐそばにある「Black Mud Spa」と言えば聞こえはいいが、要は泥沼に行ってその巨体を横たえるのであった。 ここで参加者はガイドリーダーによってこの沼の泥を顔に塗られる。 このことでそれまで自分の中に僅かに存在していたかも知れない恐怖心や羞恥心といったものがにわかに融解していき、俗世との繋がりの一切が断ち切られる(ちょっと大袈裟か)。 一種の通過儀礼だが、女性の参加者にとってはクレイパック、男性の参加者にとってはランボーかプレデター気分も同時に味わうことができる趣向だ。
 参加者全員で泥を手に取り象の体に塗りつけてゴシゴシとスクラブする。 象も気持ちいいのかくすぐったいのか唸るように息を吐いている。 象の皮膚につく寄生虫を落とす意味でも欠かせない作業。 顔に泥を塗られた参加者たちはもはや躊躇うことなく素足で泥沼に入り手で泥をすくって象を磨き上げる。 泥だらけの手で硬い角質に覆われた象の皮膚をしごきながら「俺はタイの山奥で一体何をやっているんだ?」と一瞬我に返ったが、次の瞬間には地層から新たな泥を削り取っていた。 すぐに単純作業に没頭できるのは神が僕に与えた天賦の才だと思う。


沐浴タイム 川底に体を横たえた象の泥を洗い落とす 象は鼻シャワーや鼻リフトで参加者を楽しませてくれる

沐浴タイム 川底に体を横たえた象の泥を洗い落とす 象は鼻シャワーや鼻リフトで参加者を楽しませてくれる

 人間も象も泥まみれになったらやることはひとつ。 入浴である。 そんなわけで復路は往路で渡渉した川に存分に浸かって沐浴するという寸法。 このあたりは流れがよく考えられていて参加者を飽きさせない。 まったくもって良く考えられたプログラムだと感心させられる。
 川から上がった後は田園地帯や小さな集落のなかを1時間ほど歩いてホームまで戻る。 着いたのが午後3時過ぎ。 純粋に乗象している時間は3時間、乗馬でいうところの4鞍ぐらいはあるのでそこそこ体力もいる。 落象しないような最低限のバランス感覚も必要だ。 もっとも僕の場合、象上でカメラを構えるため象の背中から片手を離した時にはたびたびバランスを崩したのだが、そのたびに象が耳で僕の足をホールドしてくれたりもした。
人懐こい小僧もとい子象がトレッキングの疲れを癒してくれた

人懐こい小僧もとい子象がトレッキングの疲れを癒してくれた

 ホームに戻るとスタッフから「象の赤ちゃんが見たい人はおいで!」と声がかかり全員で象舎へ。 まだ一歳にも満たない子象だがやんちゃ盛りで参加者のコットンバックに狙いを定めて鼻を伸ばしてくる。 ペットボトルの水をあげたら美味しそうに飲んだ。 可愛いやつだ。
 子象とひとしきり遊んだあとは全員シャワーを浴びて着替え、供されたフルーツを食べハーブ湯の足浴と手浴でリフレッシュ。 参加者がそんなことをしている裏でスタッフたちは大急ぎで撮影した写真や動画を編集してDVDに焼き、撮影したなかで一番のショット?を入れたフォトフレームとともに一人ひとりに配布。 さらにタイ・エレファント・ホームのオリジナルTシャツのオマケつき。
 タイ・エレファント・ホームのパンフレットにはこうある。 「おいでよ!一生に一度の体験をしに!」 僕が初めてチェンマイに来たのはもう15年以上前だが、その時初めて泊まったゲストハウスでもこうしたエレファント・トレッキングを斡旋していた。 正直いってこれまでこのてのアクティビティにはほとんど興味がなかったのだが、それは「人が考えたコースを追体験させられる」ことに少なからず抵抗があったからである。 貴重な旅の一日にお金を払ってまでそんなことをするぐらいなら自分の足で路地裏でも歩いた方が新しい発見があると思っていた。 実際それはそうなのかも知れないが、今はこうしたアクティビティに参加してみるのも悪くないなと思っている。
 自分が乗ったから敢えて言う。 人間一生に一度は象に乗ってみるべきだ。
 
Thai Elephant Home

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