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Movie

人生はマラソンだ!


 前週観たのがけっこう重たい作品だったので、気分転換に二週連続で映画を観に行った。 オランダ・ロッテルダムが舞台のマラソン映画。 原題も単刀直入に「De Marathon」。 ただ、正確にはマラソン映画というより、人生にくたびれたオッサンたちがマラソンを通して再生していく群像劇。
 「人生はマラソンだ」。 使い古された言葉である。 用法は異なるけれど、まるで「感動をありがとう」みたいに陳腐化した言葉。 これほどお決まりで、ありきたりで、新鮮味もなく、手垢にまみれた言葉なんて世の中にそうあるもんじゃない。 だけど、こうした一見陳腐な言葉は、我々がその根っこの部分では抗うことのできない或る種の真理のようなものを喝破しており、それを全否定することを困難にしている。 こうした言葉が陳腐化してなお使われ続ける理由だ。
  
 
 だからこそ、先ごろまでオンエアされていた「違う、人生はマラソンじゃない」というリクルートポイントのCMはマラソンやマラソン的なものへのレスポンスとしてのMAD(二次創作物)であった。 その着眼点は面白いが、「すべての人生が素晴らしい」という人生賛歌なオチはいささかお花畑に過ぎる。 こういう嘘やポエムを大上段から世間にふりまくことができてこそのD通。 きっとある種の人々には共感されるのだろう。 まあ、映画の話をしている時にテレビに文句タレてもしょうがないのだけれど。 「違う、すべての人生が素晴らしいなんてとんでもない」よ。 アウトサイダーとアウトローの境界もわからぬ輩がコースを逸れて全方位的に野に放たれていく先にあるのはゴールではなくヒャッハーでしかない。 カオスだ。

 
ロッテルダムで、自動車修理工場を営むギーア。 従業員は、ニコ、レオ、キースの中年3人組と、移民の若者ユース。 男たちは昼から缶ビール片手にカードゲームに興じ、マジメに働いているのはユースぐらいだ。 そんなある日、ニコが税金の督促状の束を発見。 ギーアは皆に経営不振を隠していたのだ。 滞納した税金を支払うために、ギーアたちはスポンサーを口説き落として一か八かの賭けに出る。 それはロッテルダム・マラソンに出場し「全員完走出来たら借金を肩代わりしてもらう。 完走出来なきゃ工場を譲る」というもの。 元マラソン選手のユースのコーチの下、スポーツとは全く無縁だった4人は、マラソン完走に向け、練習を開始したのだが……。
はたして4人はフィニッシュラインに辿り着くことが出来るのか?
スタートの号砲は鳴った!(公式サイトより抜粋)
 

 それにしてもベタな邦題をつけたものだ・・・と座席に着いて2時間後、シネスイッチを出る時には「人生はマラソンだ。 いや、マラソンこそ人生だ」と大きく頷く自分がいた。 とはいえ僕はまだマラソンを知らない。 だからこの秋にエントリーしているフルマラソンをなんとしても完走し、それからもう一度観てみたい。
 ところでこの映画、先ごろ終わったブラジルW杯で「美しくも強くもないのに」あれよあれよと勝ち進み、大会期間中常に僕の心の一隅を占めていたオランダ代表(フライング・ダッチマンズ)の多くの選手を輩出したフェイエノールトのホームタウンが舞台。 サッカーネタも随所に盛り込まれている。 なかでも首都アムステルダムを本拠地とするアヤックスに対してはかなりの対抗心を感じさせる描写も多い。 考えてみればマラソンもサッカーもゴールを目指すという点では同じだ。
 42キロと195メートル先には何があるのだろう? 形にはこだわらない。 ゴラッソでもごっつぁんゴールでもいい。 とにかくゴールが欲しい。 そしてその時に見えるのはどんな景色なのだろう?
140724b シネスイッチ銀座他全国各地で上映中。 ★★★★★
 
映画『人生はマラソンだ!』公式サイト

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