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診療報告 その1

 昨年12月に痛めた右膝と今年2月に痛めた右股関節がさっぱり治らないことについては前のエントリーにも書いたが、さすがにこれだけ長期に渡って大きな改善が見られないとなると今現在自分が行っている治療の有効性について疑心暗鬼になる。
 選択肢はふたつあった。膝に続いて股関節もMRIを撮り、受傷箇所を精査してもらったうえで今以上に適切な治療を受けること。もうひとつは以前からその存在だけは知っていたとある診療所の門をたたくこと。数日間考えたのち、僕が選んだのは後者だった。
 以下、診療所内にネットへの記載をしないで欲しい旨の貼り紙があったため、記事から当該診療所が特定されるような箇所は極力省き、個人的な備忘録として書いておくこととする。

 診療所には午後の診療開始時刻である3時少し前に着いた。診療所がある雑居ビルの隣には墓所がある。患者は午後3時になるまでビルに立ち入ってはならず、この墓所の前で待たなければならないのが決まりである。が、そのことを知らないおばさんがややフライング気味に診療所に特攻したのか怒られてビルから出てきた。おばさんは診療所の噂を聞きつけ鹿児島から上京したという。期せずして1番目となった僕の隣に並んだ2番目の男性がおばさんに患者の心得を説いている。男性は40歳でもう20年ここに通っているという。彼が20年前に初めてここを訪れた時は松葉杖が欠かせず何処の病院に行っても手術するしかないと言われていたらしいのだが、初診で数分の治療を受けて帰る時には松葉杖は必要なかったという。話を聞いたおばさんは目を丸くしていた。
 この話は以前弟から聞いたことがある。実はこの診療所には既に僕の弟が世話になっていた。今から9年前のことだ。僕は弟の体験談を元に当時の旧ブログに記事を書いた。当時はまだこの診療所について書かれた記事が少なかったので結構な数のアクセスがあったことを覚えている。それから9年後、ついに記事を書いた本人が世話になる時が来たのだ。

 午後3時、隣の男性から「時間厳守」とのお触れがあったので、居合わせた総勢7名の患者さん数名の時計を互いに見せ合い、3時を過ぎていることを確認したうえでビルに入る。以前記事を書いた時にはビルの1階だと聞いていたのだが、現在診療所は4階にある。ドアを開けると待合室があり、パーティションで仕切られた診察室がある。入口にはカーテンがあり、「新患です」と声をかけると中から「再診の方が先に入って」と声が聴こえ、2番目の男性が先に診察室へ。「新患の方、今日1万5千円(初診料)大丈夫ですか?」と診察室の中から声が飛ぶ。やおらカーテンの隙間からクリップボードにとめられた問診票が突き出され、「症状だけ書いて」と指示がある。先生の顔はまだ見えない。
 問診票は名刺大であり、その約半分は人体図があるので記入欄はとても小さい。当然多くのことは書けないので現在の症状だけを簡潔に書くしかない。問診票の裏側は氏名や住所など個人情報を書く。書き終わる直前に先に入った2番目の患者さんが診察室から出てきた。「次の方入って」の声がかかり、急かされるようにカーテンをくぐり診察室に入る。僕は問診票の人体図に自分の痛い箇所を◯で記したが、これは先生用だそうで書いてはいけないとまず注意を受けた。先生は六十絡みぐらいだろうか。マスクをしているので顔の上半分しか見えないが、その容姿や話し方は俳優の小日向文世が一番近いかも知れない。
 まず自分の症状を口頭で説明し、次に診察台に仰向けに寝る。いきなり痛い箇所を触診されて「ここ痛いでしょ」と言われる。腸腰筋のあたりだが、右だけが痛く左はなんともない。次に仰向けに寝たまま足を垂直方向に上げさせる。先生は足先に負荷をかけて力の入り方を確認している。これ自体は通っている整形外科でも同様のチェックを受けたが、右股関節を痛めている僕は右脚だけ力が入らないので大きな左右差がある。先生はそれを確認したうえで、僕の股関節の状態について説明してくれた。
 そもそも痛めたのは今年の2月に無理な立位体前屈で右の股関節が「ゴキッ!」と音を立ててからである。だがその後も普通に歩いたり走ったりすることはできたので股関節が亜脱臼したのだと感じていたのだが、整形外科ではオーバーワークによる股関節周囲の靭帯や筋肉の炎症という診断だった。
 一方、診療所の先生の診断は「骨盤にはちょうどたこ焼き器のように丸いくぼみがあってそこに大腿骨がはまっているんだけど、その本来はきちっとはまっているところがペラペラの紙1枚か2枚分ぐらい離れてしまっているんだよ。整形外科なんかに行ってもこれに触診で気づく医者はいないよ。原因は脚の外旋だね」というものだった。外旋の原因は先に書いた無理な立位体前屈に違いない。初めて自分の感覚に近い診断をしてくれた先生への信頼感が高まったのは言うまでもない。いよいよ施術だ。 (つづく)
 

 

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診療報告 その1」への2件のフィードバック

  1. お大事にしてくださいね。

    投稿者: yuk@miku | 2016年10月4日, 8:44 pm

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